特 集

〈豆こけし絵付け体験〉
小さくて愛らしい。
世界にひとつだけの、豆こけし。

情報掲載日:2022.02.25
※最新の情報とは異なる場合がありますので、予めご了承ください。

 

こけし絵付けができる喫茶店


鳴子といえば、こけし。
そう思う方もきっと多いのではないでしょうか。

伝統型のこけしはもちろん、
最近では、キーホルダーやイヤリングなど、
アクセサリーとしてこけしを楽しむ方も多い印象です。

 

可愛いこけしを、いつも身に付けたい。
できることなら、自分好みのこけしがいいな。

そんな方におすすめの絵付け体験があるということで、
鳴子温泉・川渡の「準喫茶カガモク」を訪れました。

 

 

お店周辺には温泉宿が立ち並び、温泉街独特の硫黄の香りが漂っています。

 

 

 

 

こけし愛あふれる、ユニークな空間

中に入ると、店内の至る所にこけし雑貨を発見。
“準”喫茶の名のとおり、喫茶店でもあり、こけし雑貨ショップでもあるお店です。

ドアノブやテーブルの脚、壁からひょっこり覗くこけし、
まるでかくれんぼをしているようで、探すのに夢中になってしまいます。

 

しかし、今日の目当てはこけし絵付け体験。ふと我に返ります。

 

 

こけしの数は、なんと100体以上。こけし好きにはたまらない空間です。

 

 

一輪挿しならぬ、プチ輪挿し。こけしに花を咲かせるというユーモアさが良い。

 

 

雑貨をじっくり見たい気持ちを抑えなければ。

 


絵付けを教えてくださるのは、オーナーの加賀浩嗣さんと道さん。

 

 

(左)加賀浩嗣さん(右)加賀道さん。ご夫妻でお店を営んでいます。

 

 

「今回体験するのは『豆こけし』の絵付けです」

そう言って見せてくださったのは、通常のこけしよりもさらに小さく、
小指ほどのミニマムなこけしでした。

 

 

こけしの材木は桜の木と水木(みずき)の2種類。小さくて可愛いサイズ感にキュン。

 

 

 

 

可愛い豆こけしと向き合う時間


まずは、自分が思い描くこけしを、紙に下書きしていきます。

こけし本体への絵付けは一発書き。ゆえに、
イメージに落とし込む作業が完成の出来を左右します。

 

 

どんなこけしにしようかな。ぐるぐる頭を悩ませながら書きます。

 

 

他の作例を見て、インスピレーションを高めます。

 

 

イメージをある程度決めたら、いよいよ絵付けスタート。
アクリル絵の具でこけしを彩っていきます。

 

失敗しないようにと恐る恐る筆を執ります。

むむむ。慎重になりすぎると筆が震えてガタガタになってしまうし、
大胆になりすぎると太く書きすぎてしまう。

この塩梅が難しいのですが、次第に慣れてくると楽しい。

 

 

細い線を書くときは、思わず呼吸を止めてしまいます。

 

 

顔を描くときは、特にじっくりと。
絵の具に水を入れすぎると滲んでしまうので注意。

 

子供が絵付けするときは、スッスッとあっという間に書き上げるそうです。
もう何分も悩みながら書いている私とは対照的。

「大人になると、優柔不断になってしまうのか

そんなプチ・ジェネレーションギャップ(?)を感じながらも、
上手くかけなくても、私らしく書ければいいや!と割り切ることを決意。

 

 

「心を無にすると上手く書ける気がする…」と豆こけしに集中。

 

 

大成功!いい表情です。

 

 

そして、絵付けをして約1時間。
ついに世界に一つだけの豆こけしが完成しました!

じっくり向き合った分、喜びもひとしおです。

 

 

それぞれに個性が出ています。ペンダントにすることも出来ますよ。

 

 

ペンダント紐の長さは調整可能、ファッションにも取り入れやすい仕様です!

 

 

 

 

 

こけしに魅了され、鳴子へ移住

 

こけし木工作家の浩嗣さんは、大阪出身。
もともと理学療法士として働いていて、木工づくりは趣味だったそうです。

 

鳴子出身の道さんとは学生時代に出会い、その後東京で結婚。

道さんの故郷を大切に想う気持ちと、鳴子こけしの奥深さに魅了され、
鳴子へ移住することに。

木工作家としてこけし作りを本格的にスタートさせます。

 

その後、こけし好きや地域の人たちが集まる場をつくろうと
2017年に「準喫茶カガモク」をオープンしました。

 

 

真剣な眼差しで絵付けをしている浩次さん。

 

 

今や「こけし女子」という言葉が定着するほど、世代を問わず人気のこけし。

浩嗣さんがつくるこけし雑貨は、小さくて、遊び心があり、
伝統こけしとはまた違った魅力を感じます。

 

「外から来た人間だからこそ、新しいアプローチをしてみたくて。
日常生活で使えて楽しい、そんなこけしを作っています」

 

浩嗣さんがつくったこけし雑貨は、店内のインテリアや
カフェメニューにも散りばめられており、
見るたびに癒やされます。

 

 

地元の豆腐店のおからと国産小麦を使用した、「こけしドーナツ」(¥220)と
「こけしコーヒー」(¥400)。さくさくした食感とやさしい甘みが癖になります。
何よりもこけしが可愛すぎる…!

 

 

カフェ営業のほかにも、毎月開催される「カレーの会」や、
自然体験プログラムを提供する「鳴子温泉もりたびの会」など
様々な地域活動にも取り組んでいる、浩嗣さんと道さん。

興味がある人はぜひ、気軽に声をかけてみてくださいね。

 

 

豆こけしと向き合う時間は、癒やしそのもの。

自分好みのこけしを絵付けしてみたいという方はもちろん、
お子さんと一緒に参加するのもおすすめです。

 

新しい風を吹かせている、準喫茶カガモクで
こけしの魅力を再発見してみてはいかがでしょう。

 

(撮影: 安部菜摘・足利文香)

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足利文香|ツナグ編集室

宮城県大崎市生まれ、岩手県盛岡市在住。地元大崎市と岩手を行ったり来たりの2拠点生活をしています。やさしい日常や想いを映した写真・デザイン・ライティングを手がける「Living dedepo」主宰。野鳥、歌、クリームソーダが好き。

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