〈楽音所カフェ・パーシモン〉
美味しいコーヒーに、こだわりの音楽。
音を楽しむ心地よい場。

旧有備館近く、伊達な雰囲気漂うカフェ

JR陸羽東線 有備館駅すぐそばにある、旧有備館。
江戸時代に岩出山伊達家が開設した学問所として知られています。

歴史薫るレトロな町並みを歩いていると、
何やら素敵な外観のお店を発見しました。

白い外壁にシックな木の風合いが、レトロな町並みに馴染むお店。

味のある看板と、ステンドグラスのランプ。ほのかに存在感を放っています。

「楽音所 カフェ・パーシモン」というお店の名前。

楽音所とは、どういうお店なんだろう？そう思っていた私ですが、
お店のドアを開けた瞬間、店名の意味が分かりました。

木のぬくもりと、吹き抜けのある広い空間が広がります。

そこには、心地よいジャズミュージックが包み込むように流れていました。
臨場感のある音楽は、まるで生演奏を聞いているかのよう。

上質な音質の秘密は、知る人ぞ知る、アメリカ製JBLの巨大スピーカーにあります。
Mclntoshのステレオ・パワーアンプも３台使われているという贅沢さ。

なぜJBLのスピーカーが!?と驚かれることも多いそうです。
オーディオマニアにはたまらない光景。

音づくり・場づくりへのこだわり

マスターの土屋行雄さんは、会社を定年退職したのち、
2016年にお店をオープン。奥様と息子さんの３人でお店をやっています。

お店を開くきっかけは、JBLのスピーカーとの出会いだといいます。

「JBLのスピーカーは今から30年ほど前に
手に入れることが出来て、最初は自宅で楽しむ程度でした。
徐々に、この音の良さを一人で味わうにはもったいない！と思うようになり
音楽を共有できる場所をつくろうと思い立ちました」

オーディオ好きの土屋さん。音楽へのこだわりがとにかくすごいのです。

お店の建設は岩手・平泉の宮大工さんに依頼。
漆喰壁や木材をふんだんに使い、建設段階から音の響き方にこだわっています。

「誰もが気軽に音楽を楽しみ、気持ちよく過ごしていただきたい」
そう語りながら、スピーカーに向ける優しい眼差しが印象的です。

キラリと輝くグランドピアノ。息子さんのピアノ演奏が運良く聞けるかも？
不定期で音楽イベントも開催されています。

美味しいコーヒーでゆったりと。

東京・銀座の有名店でコーヒーの淹れ方を学んだという土屋さん。
温度や時間をキッチリ計る、基本に忠実な淹れ方を心がけています。

珈琲のいい香りがふわっと広がります。

コロンビアベースの「パーシモンブレンド」をいただきました。
スッキリとしていて、上品な味わいにうっとりします。

パーシモンブレンド（¥500）。

取材中、話が盛り上がってしまい、
コーヒーが少し冷めてしまったのですが、それでも美味しい！
ついついジャズに聞き入ってコーヒーが冷めてしまっても安心です。

手間ひまかけた、こだわりカレーに舌鼓！

パーシモンカレー（¥750）。ドリンクとセットで100円引きに。

スパイスの香りが食欲をそそる、パーシモンカレー。
じっくり炒めた玉ねぎの旨味が口いっぱいに広がります。
手間ひまがかかっているからこその、やみつきになる美味しさです。

土日限定のナポリタン（¥750）もおすすめ。

料理やコーヒーを楽しみながら、
良質な音楽に酔いしれる、贅沢なひととき。
そんなお客さんの姿を見て、微笑んでいるマスターの姿が思い浮かびます。

マスターやご家族との会話も、是非ご堪能あれ。

（撮影： 足利文香）