〈焼肉 八兆〉
匂いに誘われて
東鳴子にひっそりたたずむ名店
焼肉 八兆

東鳴子の温泉街。
夕方になると、どこからか焼き肉の美味しそうな匂いがしてきます。
通り沿いに大きく「焼肉　八兆」と屋根に書かれたお店を発見しました。

ライトに照らされた雰囲気や佇まいに、名店の予感がします。

焼き肉の匂いと店内から漏れ聞こえる楽しそうな会話に
ついつい店内へと吸い込まれて行きます。

鳴子には珍しい焼き肉屋さん。
なぜこの地域に焼き肉屋さんを出したのか
マスターの八丁野　充さんにお話を伺いました。

優しい笑顔で気さくに会話をしてくれる
マスターの八丁野さん

マスターの八丁野 充さん。

もともとはお肉業界働いていた八丁野さん。
サラリーマン時代、古川にある焼肉屋によくているうちに、
自分もいつかこんなお店を出したいなと思っていたそう。

会社の転勤を何度も断り、ついに退職。
自分の夢を叶えるため、行きつけの焼肉屋で働き始めます。

修行時代、自分のお店を出したいと考えていた八丁野さんでしたが、
焼き肉のマスターから出された出店条件は、古川以外にお店を出すこと。

古川にお住まいだった八丁野さんは、悩んだ末に、知り合いもいて、観光客で賑わう
鳴子にしようと決意。

店名の由来は、自分の苗字の八丁野からとって、
八丁だと豆腐屋さんのようだからお金の兆に。

開店当時、地元の人には、なかなかここでお店を続けるのは難しいと言われていたそう。
それでもマイペースにやってきて、いまや23年。

カウンター越しにマスターとの会話も弾む。

小上がり席もあります。

席数はカウンター4席と小上がりの座敷が5席（4名×5）ほど
1人で行ってカウンターでマスターとの会話を楽しむのもよし！

家族や大人数でワイワイ楽しむのもよし！

マスターこだわりのお肉登場！
美味しいとしか言葉が出ません。

左から、和牛カルビ、和牛上カルビ、和牛特上カルビ。

特製の味噌ダレで味付けされた牛ホルモン。

早速お肉を注文。
今回注文したのは和牛カルビ、和牛上カルビ、和牛特上カルビと牛ホルモン。

出てきたお肉を見て、びっくり！！
カルビは霜降りがとても綺麗で
特上に関しては、霜が降りすぎて、今までに見たことのないお肉。

早く食べたい気持ちを抑えつつ、焼き網へ。

早く焼けないかな。

まずは3種のカルビをいただきました。
全て、口の中でとろけちゃいます。
3種それぞれ霜降りの感じが違うので、とろけ方が違う。
特上は、入れた瞬間になくなってしまうほど。
油はしつこくなく、肉本来の味もしっかりとあります。
もう美味しいとしか言葉が出ません。

次に牛ホルモンもいただきました。
こだわりの甘辛味噌ダレにつけこんであり、
ホルモンの食感とタレがマッチして
こちらも最高！

やっぱりビール！

たまらずビールもいただいちゃいました。
焼肉とビール
最高の組み合わせですね！

お肉だけじゃない。
八兆のおすすめメニュー！

カレーや手造りアイスもあります。

店内にはおすすめと書いてある品書きが
バリバリサラダや手造りアイス
焼き肉屋さんには珍しいナン付きのカレーまで
お客さんからのリクエストで誕生したメニューもあるとのこと。
お客さんに食事を楽しんでもらいたいというマスターの心意気が
生んだメニューたち
これも八兆の魅力のひとつです。

海鮮やラーメンなど、豊富なメニュー。

お店をやっていて大変だったことは？とマスターに聞いたところ、
BSE（狂牛病）が話題になった頃だといいます。
消費者は牛肉から遠ざかり、
焼肉店の売り上げも大きな打撃を受けました。
そんな中試行錯誤して、鶏肉のメニューや海鮮メニューを新しく追加。
なんとかお店をやりくりしてきました。
 

逆にお店をやっていて嬉しかったことは
リピートで来てくれるお客さんがいること。
オープン当初から来てくれているお客さんがいたり
毎週続けて来てくれているお客さんもいる。
人が人を呼び、誰かにおすすめしたくなる、
そんな店になれたら良いなと
お肉を捌きながら笑顔で応えてくれました。

モットーは、毎日楽しく！
マスターの人柄と、丁寧な仕事で提供される良質なお肉と楽しい会話に
一度来たら何度も通いたくなる、そんなお店です。

ぜひ鳴子に来た際は訪ねてみてください。

（撮影：佐竹歩美）